何故かバンド名義という緩いイイカゲンさがケヴィン・エアーズじゃナイッスか!
. Kevin Ayers & The Whole World(’70 Harvestm / BGO)
というのも
シリアスなクラシック畑の作編曲家デヴィッド・ベッドフォードがジャズ畑のロル・コックスヒルや
まだソロ・デビュー前のマイク・オールドフィールドと音楽の幅の拡張を目指して組んだバンド『全世界』に
ルナティックな月の射手エアーズが乗っかったという形故と云われている
そこにこれまたブリジット・セント・ジョンやロバート・ワイアットがゲスト参加するという
豪華面子の饗宴となっているのだ
曲はアルバム通して4曲が数パートに分かれて組曲っぽくなっているものの
割とポップなヴォーカル曲の合間に針飛びと間違えるようなサウンド・コラージュや
ジャズ系のフリーミュージックはたまたヴェルヴェットを彷彿させるプレ・パンクなロック等が
雑然とぶちまけられておりカオス状態の非常に実験的なアルバムとなっている
ただ
そんな外道紛いのブツなのにもかかわらず妙にまとまっていて聴きやすいのも謎だ
特にA2a『Lunatics Lament』での若きマイク・オールドフィールドの直観力が爆発した
サイケデリックでパンクなギタープレイが圧巻
ケヴィン・エアーズはシド・バレットと比較されて語られる事が多いが?
このアルバムが月(Moon)をテーマに作られている事もそんな共通印象を抱かせる要因の一つだろう